
【NEW】イベント出展予定を更新しました
HÖBAL
SPOON
日々の制作や関連することについての、ひとりごと
THINKING

2022.12
2022年を振り返る
2022年は制作以外に時間を多く使った年となりました。
参加して早くも3年になる、文殊の森里山クラブでは日野自動車助成イベント関連で削り馬制作、広告デザイン・広報、ワークショップ準備、報告書作成。ゼロからなのでやること多々、得たものも多々。さらに同クラブ会員を対象にグリーンウッドワーク部を新設し、森林整備から活用まで実践できる場を創ることができました。私のように身近な森が無い地域に住んでいる方にも参加していただき、森の木をそのまま使える仲間を少しづつ増やしていきたいと思います。
また、とあるご縁でお声がけいただいた国立岐阜工業高等専門学校でのワークショップは授業の一環という特性から、用意できる道具の数や感染症対策など熟孝する部分が多く、とても良い経験となりました。ワークショップを行う度に思うのは、生木の削り方に性格が出ること。準備段階から毎回の楽しみになっています。生木を使う意味、森の現状を伝えられるのは積極的に森へ入るグリーンウッドワーカー(おそらく少数派)ならではの強み。様々な分野とのつながりが生まれる度に森や木を通じてさらに学ぶ事ばかりです。
今年は複数のワークショップを行い、地域・状況に応じて内容を組み立てていく大切さを学んだ1年でした。
2023年はたまにワークショップをしながら、制作に重点を置いて活動する年にしようと考えています。

2022.6
「作る」と「造る」
「作る」と「造る」。違いをご存じでしょうか。
「作る」は手でつくる小さなものをさし、「造る」は機械で製造したり大量生産したもの。
私は生木からスプーンを「作っている」。
当然手を動かしている時間は長いけれど、手作業でなければ
生き物である生木の意志を汲み取ることはできないと考えている。
生木と共に作品を作っているから。
界隈で効率を重視した製品を、
一から「作った」ように見せかけているのを目睹する度に抵抗を感じる。
私は古くからある手作業での木工の復活に尽力した
海外の先人への敬意を忘れることなく、日々勉強していきたい。

2022.2.1
【 HÖBAL SPOON 】に込めた思い
HÖBAL という単語は英和辞典に載っていない。
頬張る(ための)スプーン。
日本語の『頬張る』なのです。
お行儀は悪いけれど、口いっぱいにご飯を頬張っていると
幸せを感じる。しかも早く食べ終わるので効率が良い・・・
私自身、会社員時代はとても忙しく、休憩もままならない日々を過ごしていました。
数年後、さじ面のとても大きなスウェディッシュスプーンに出会ったとき
「あのときこれを使いたかった!」と思ったのです。
日本の食文化は欧米化しているし、北欧の食器を使っている人も多い。
スウェディッシュスプーンを日本人の食文化向きに少しアレンジし提案していくことにしました。
日中は効率良く食事ができ、夜にゆっくりと食事を楽しみたいときにも使えて、
デザートも掬えて、取り分け用にも使える。
そして、持ち運びしやすいサイズ感 (欲張り・・・)。
様々なスタイルに寄り添えるオールインワンのスプーンをはじめ、
作品はすべて手道具だけで削り出しています。
森に感謝し、育った木を労いつつ、
食事の時間が素敵なひとときになりますように、と願いを込めながら。
Oの上の¨(ウムラウト/発音記号)は筆記体にしたときに
美味しそうな顔になるんですよ。
制作したスプーンの裏には、おまじない代わりにこの焼印を入れています。
機会がありましたらお手に取って探してみてくださいね。