日々の制作や関連することについての、ひとりごと
THINKING
2023.12
2023年の振りかえり
2023年は岐阜県外へ赴くことが増えた年でした。3月の高知にはじまり、今年度より始めた出展では富山・長野・三重… 使い手のみなさまにお会いし、作品のこと、材料のことを直接お伝えできる場は大変刺激になりましたし、勉強になることばかりでした。また、出展でご縁のあった出展者さま、運営関係者のみなさまに大変恵まれ、幸せな時間を過ごさせていただきました。制作実演しながらの販売スタイルは、安全管理・会場配慮のもと貫いていきたいと思います。削りたての作品もお渡しできるライブ感がとても好きですし、生木の感触や香りをお伝えできる機会もなかなか無いと思っています。オール手仕事ならではの強みです。
ウェブ販売での売上の一部を森や緑のために寄附する活動は2年目となりました。今年(期間:2022.12.1-2023.11.30)は2022円を公益財団法人 国土緑化推進機構(緑の募金)へ寄附いたしました。今年、ウェブショップにてスプーンをお迎えいただいた全国各地のみなさまの身近な森や緑の整備などに、ほんの少しだけではありますが役立てていただけることと思います。
(※HÖBAL SPOONのすべての作品は生木の丸太から斧とナイフを使い、手彫りで制作しています。自身で参加している森林整備活動で伐られた小径木をはじめ、間伐や剪定された小径木を使用しています。材料の生木が育った環境を知り、使い手のみなさまにお伝えすることで、森を想いながら長く使っていただけるスプーンを目指し、日々制作しています。)
制作のなかでワークショップや里山クラブ体験会も行わせていただきました。森で木を削る体験は心を癒し、磨くことができると考えています。そして何かしらが出来上がる・・・良いことしかありません。現在は出張形式のみ承っていますが、来年は機会をご提供できるよう準備していきたいと思います。
2023年、作品をお迎えいただきましたみなさま・ご縁のありましたみなさま、大変ありがとうございました。
今後、時間を纏った作品やみなさまに再会できることを願い、これからも精進してまいります。
2022.12
2022年を振り返る
2022年は制作以外に時間を多く使った年となりました。
参加して早くも3年になる、文殊の森里山クラブでは日野自動車助成イベント関連で削り馬制作、広告デザイン・広報、ワークショップ準備、報告書作成。ゼロからなのでやること多々、得たものも多々。さらに同クラブ会員を対象にグリーンウッドワーク部を新設し、森林整備から活用まで実践できる場を創ることができました。私のように身近な森が無い地域に住んでいる方にも参加していただき、森の木をそのまま使える仲間を少しづつ増やしていきたいと思います。
また、とあるご縁でお声がけいただいた国立岐阜工業高等専門学校でのワークショップは授業の一環という特性から、用意できる道具の数や感染症対策など熟孝する部分が多く、とても良い経験となりました。ワークショップを行う度に思うのは、生木の削り方に性格が出ること。準備段階から毎回の楽しみになっています。生木を使う意味、森の現状を伝えられるのは積極的に森へ入るグリーンウッドワーカー(おそらく少数派)ならではの強み。様々な分野とのつながりが生まれる度に森や木を通じてさらに学ぶ事ばかりです。
2022.2.1
【 HÖBAL SPOON 】に込めた思い
屋号の HÖBAL=頬張る、実は日本語です。
お行儀は悪いけれど、口いっぱいにご飯を頬張っていると幸せを感じる。しかも早く食べ終わるので効率が良い・・・私自身、会社員時代はとても忙しく、休憩もままならない日々を過ごしていました。
数年後、さじ面のとても大きなスウェディッシュスプーンに出会ったとき「あのときこれを使いたかった!」と思ったのです。日本の食文化は欧米化しているし、北欧の食器を使っている人も多い。スウェディッシュスプーンを日本人の食文化向きに少しアレンジし提案していくことにしました。日中は効率良く食事ができ、夜にゆっくりと食事を楽しみたいときにも使えて、デザートも掬えて、取り分け用にも使える。そして、持ち運びしやすいサイズ感 (欲張り・・・)。様々なスタイルに寄り添えるオールインワンのスプーンをはじめ、作品はすべて手道具だけで削り出しています。森に感謝し、育った木を労いつつ、食事の時間が素敵なひとときになりますように、と願いを込めながら。
Oの上の¨(ウムラウト/発音記号)は筆記体にしたときに
美味しそうな顔になるんですよ。
制作したスプーンの裏には、おまじない代わりにこの焼印を入れています。
機会がありましたらお手に取って探してみてくださいね。